もう一人の神子

 

目に痛いほどの緑に、鮮やかな赤。
ひかるは清翠に連れられて見知らぬ豪奢な屋敷に来ていた。
 
 
 
「・・・ここに、いるんですか・・・?」
 
少し清翠の背に隠れるようにしながらも上目遣いに問いかける。
それに清翠は自分の背にいるひかるを振り返りながら柔らかな笑みを浮かべた。
 
「ええ、彼はこの屋敷にいますよ」
 
そう言って小さな背を押してひかるを前へと出させる。
それにひかるはグッと喉を詰まらせながらも、恐る恐るといったように屋敷の奥へと進んでいった。
 
朱色の柱に、目に柔らかい木の廊下。
その先には素朴で穏やかな庭の情景が広がっている。
そしてその中に佇む、これまた鮮やかな赤の東屋。
赤い柱に赤い手摺、赤く塗られた屋根の瓦が陽の光に照らされて鮮やかなまでに光り輝いていた。
そしてその東屋の中に、少し細身の小さな影が優雅に腰を下ろしていた。
 
 
「・・・もしかして、・・・あの人・・・?」
「・・・ああ、彼ですね。行きましょう」
 
背後の清翠を振り返ってそう尋ねれば、彼も東屋の影を見つめて一つ頷く。
それでいて少し戸惑った様子を見せるひかるに、まるで彼女を促すように清翠は先に立って庭へと足先を向けた
それにひかるも慌てて彼の後に続く。
二人は小さな階段から中庭に出ると、そのまま真っ直ぐに東屋へと歩み寄っていった。
 
それに気が付いたのか、不意に東屋の影がこちらを振り返ってきた。
座っていた状態から立ち上がり、東屋の入口へと移動する。
それでいて東屋の影から陽の光の元へと出ると、清翠の存在を見とめて柔らかな笑みを浮かべた。
 
 
「これは、清翠・・・」
 
「元気そうですね。申し訳ない、最近会いにこれなくて・・・」
「いいえ、大事なお仕事ですから仕方がありませんよ。・・・それより、彼女は?」
「え?聞いていないかい?・・・彼女は水崎ひかる殿といって、君と同じ“五つ星の神子”の一人だよ」
「ああ、彼女が!」
 
清翠の言葉に何かを思い出したのか、途端に明るい声を上げてこちらを見つめてくる。
一歩こちらに歩み寄り、にっこりとした笑みを浮かべてきた。
 
「初めまして、ひかるさん。僕の名はアルベルト・ユニエンス。よろしく」
 
そう言って片手を差し出してくるのに、ひかるは一瞬キョトンとした表情を浮かべた後、慌ててその手を両手で握りしめた。
 
「あっ、こちらこそ!よろしくお願いします!」
 
ブンブンと振る勢いで握手し、挨拶を交わす。
それでいてひかるは少し困惑したようにアルベルトを見つめた。
 
 
最初に彼の話を聞いた時は、てっきり相手も自分と同じ日本人だと思っていた。
しかし目の前にいるのはどう見ても西洋人の少年。
少し長めの金色の短髪に、蒼い瞳。
年は自分よりも二つほど上に見えた。
 
 
 
「えっと・・・、アメリカの人、ですか?」
「いや、僕はドイツ人。君は東洋人見たいだけど・・・」
「あ、私は日本人です!」
 
何故か生まれた国の話で盛り上がる二人。
それに横で二人を見守っていた清翠は少し不思議そうな色を宿しながらも穏やかな笑みを浮かべた。
 
「何だか気が合うようで良かった。一安心しました」
「あ、ごめんなさい!勝手に盛り上がってしまって・・・」
「いいえ、構いませんよ」
 
慌てて謝るひかるに、清翠はにっこりとした笑みを浮かべてそれに答えた。
 
その時、不意に廊下の奥から何人かの男たちが駆け足でこちらに姿を現した。
何か慌てた様子で清翠の元まで駆け寄ってくる。
それにひかるやアルベルトは勿論、清翠も不思議そうに男たちを見やった。
 
 
「清翠様っ!」
「ここにいらしたのですね、清翠様!」
 
「どうしたのですか、君たち。・・・そんなに慌てて・・・」
 
少しひかるたちから離れて清翠が男たちに向き直る。
それでいて不思議そうに問いかけるのに、男たちは少し息を切らしながらも清翠を見上げてきた。
一度深呼吸して自分を落ち着かせ、姿勢を正して改めて清翠を見やる。
 
「清翠様、主上がお呼びです。至急城にお戻り下さいますよう」
「主上が?・・・何かあったのですか?」
「いえ、例の件で文が届いたそうです。それについて清翠様のご意見を聞きたいそうで」
「・・・そうですか。もう、文が・・・・・・」
 
その男たちの言葉に、清翠は細い指を口元に添えて暫く考え込んだ。
暫くそうやって考え込んだ後、清翠はひかるとアルベルトを振り返ってきた。
じっと二人を見つめ、それでいてフッと笑みを浮かべる。
 
「どうやら主上に呼ばれているようです。ひかる殿、申し訳ありませんが少しここで待っていて頂けませんか?なるべく早く戻ってきますので」
「あ、はい!私は大丈夫ですから、無理はしないで来て下さいね!」
「ふふっ、ありがとう。アルベルト、良ければ私が戻る間、彼女のお相手をお願いします」
「ええ、喜んで。二人で待っていますから、安心してしっかり仕事してきて下さい」
「ええ。・・・それでは、行きましょうか」
「はい」
 
清翠はにっこりと笑みを浮かべると、呼びに来た男たちを振り返って声をかけた。
それに男たちは一斉に拱手して深々と頭を下げる。
清翠はひかるたちに背を向けると、そのまま男たちを引きつれて中庭を後にした。
その後ろ姿をひかるたちは見えなくなるまで見送る。
それでいて見送りもすむと、次はどうすべきかと何とはなしに顔を見合わせあった。
 
 
「・・・どう、しましょうか」
「・・・どう、しようか」
 
ほぼ同時に発せられた声と、似たような言葉。
それに二人は一瞬キョトンとした表情を浮かべた後、次には吹き出すように互いに笑い合った。
クスクスと笑みをこぼし、それでいてアルベルトが何かに気がついたように背後の東屋を指す。
 
「そうだ、ここで一緒に話でもしない?ここはとても静かで穏やかだし、とても気持ちが良いんだ
 
そう言ってにっこりと笑って促す少年に、ひかるは背後の赤い東屋を振り返った。
目に映る小さな東屋は、キラキラと光って彼女を誘惑しているよう。
それにひかるは思わず小さく顔を輝かせると、控えめに頷いてみせた。
 
「じゃあ、せっかくなので」
 
そう言って促されるがままに東屋へと足を踏み入れる。
 
 
円を描くように丸い形をした東屋。
その外側に沿うようにして長椅子が置かれ、それに控えめに腰を下ろす。
中心には足の長いテーブルが置かれ、その上にはこの庭のものなのか、小さな花が上品良く活けられていた。
その可愛らしい光景にフフッと笑みを浮かべながら少年が座りやすいように少し座っていた場所をずらす。
 
「どうぞ」
 
「ありがとう」
 
そう言って促せば、少年は穏やかな笑みを浮かべてひかるの隣に腰を下ろしてくる。
二人は暫く何を話すでもなく庭の色鮮やかな色を眺めていたが、ふとあることを思いだしてひかるは少年を振り返った。
 
「・・・そういえば、アルベルトさんも“五つ星の神子”なんですよね?」
「普通にアルベルトでいいよ、ひかる」
「え、いや、それは・・・」
 
その意外な申し出にひかるは思わず大いに戸惑った。
日本人にいきなり初対面で呼び捨て&タメ口はハードルが高すぎるような気がする。
少なくとも自分はそうだ。
思えば翆国でもタメ口で話しているのは椿華と夏珠だけで、叢柴や汐燕には一応丁寧語で話しをしている。
そんな自分にこの申し出はとてもではないが無理があった。
しかし遠慮しようとするひかるに対して、アルベルトはまるでそれを封じるかのようににっこりとした笑みを浮かべてみせた。
 
「ほら、大丈夫だから」
 
そう言って笑みを深めさせる。
それにひかるは思わず顔を引き攣らせた。
 
アルベルトは笑みを浮かべているはずなのに、何故こんなにも怖く感じるのか・・・。
 
握っている手も背中も冷や汗が流れている気がして更に顔を引き攣らせる。
それでいて内心、何故この世界で会う人はみんな強引な人が多いんだろう・・・と頭を悩ませた。
 
 
 
「・・・・・・うぅ、分かりました・・・」
「分かりましたじゃなくて、分かった」
「・・・分かった」
 
すかさず訂正してくるのに渋々ながらも大人しくそれに従う。
それにアルベルトは満足げに柔らかな笑みを浮かべた。
先ほどまでとは打って変わり、見れば心が穏やかになるような優しげな笑み。
それに思わず安堵の息をつく中、アルベルトは話を戻すように口を開いた。
 
「・・・それで、“五つ星の神子”かって話だったよね。君の言う通り、僕は“五つ星の神子”だって言われてる。最も、まだ実感もわかないけどね」
「そっか。私もずっと“五つ星の神子”だって言われてるけど、全然実感がわかないんだよね・・・」
 
思わず自分の両手を見つめて言うのに、アルベルトもつられるようにして自分の両手を見下ろす。
それでいて彼は力なく目を閉じると、一度大きく深いため息をついた。
 
「・・・一応陰陽の力も目覚めたけど・・・、それでもねぇ」
「えっ、アルベルトはもう陰陽の力が目覚めてるの!?」
「ああ、と言うことはひかるはまだ力が目覚めてないんだね。僕は一ヶ月くらい前に目覚めたんだ」
 
そう言うと少年は徐に片手を軽く掲げてみせた。
それにひかるは興味津々とばかりに掲げられた手を見つめる。
その時、突然掲げられた手の内からどこからともなく赤い炎がボウッと噴き出し燃え上がった。
まるで手品のように炎が勢いよく宙に伸び、メラメラと燃え輝く。
その鮮やかさにひかるは思わず目を見開かせて炎に目を釘付けにさせた。
 
 
「・・・炎の、力・・・・・・」
 
「・・・そう、僕は炎を司る神子。“火焔の神子”と呼ばれるものだよ」
 
 
 
そう言って手の炎を消す少年に、ひかるは思わずほうっと小さく息をついた。
それでいて弾かれるようにして目を輝かせる。
 
「すごい!すごいよ、アルベルト!!」
「あはは、ありがとう。・・・でも、それでも良く分からないよ」
 
そう言ってアルベルトは表情を翳らせる。
それに、ひかるはつられるように再び自分の両手を見つめた。
 
 
「・・・私は、まだ陰陽の力の欠片も目覚めてなくて。本当に自分が“五つ星の神子”なのかなって不安に思っちゃうんだ」
「・・・・・・・・・」
「陰陽の力が目覚めればそれもまた変わるのかなって思ってたんだけど・・・。それでもなかなか上手くいかないものなのかな・・・」
 
 
そう思い悩むように言葉を口にするひかるに、アルベルトは困ったような笑みを浮かべた。
暫く考え込むような素振りをし、それでいて言葉を選ぶようにゆるゆると口を開く。
 
「・・・君の気持ちは、僕にもなんとなく分かるよ。“五つ星の神子”だって言われてもピンとこないし、第一炎を操れるようになったことはすごいと思うけど、それでも、それでどうなるかとも分からないし・・・」
「・・・・・・・・・」
「でも、だからこそ・・・僕は清翠を信じることにしてるんだ」
「清翠さんを?」
 
その思ってもみなかった名前の登場に、ひかるはキョトンとした表情を浮かべてアルベルトを見つめた。
それにアルベルトはにっこりとした笑みを浮かべる。
 
「そう。僕を“五つ星の神子”と定めたのは清翠なんだ」
「そっか。清翠さんは“星詠み”の力を持ってるから・・・」
「うん、だから僕は清翠の言葉を信じることにしてるんだ。自分のことは信じられなくても、清翠のことは信じられる・・・」
 
そう力強く言う少年に、ひかるはふと叢柴のことを思い出した。
 
 
最終的に自分のことを“五つ星の神子”と定めたのは螢寡だけれど、そもそも初めに自分をそう定めたのは他でもない叢柴だ。
そう考えた時、自然と不安に揺れていた心が落ち着いてくるのを感じた。
自分の知る叢柴はいつも堂々としていて迷いなく、また事ある度に自分を引っ張ってくれるような存在だった。
時にはそれが強引めいて感じて嫌になることもあるけれど、それでも今思えば彼の存在を迷いない軸のように思っていたのかもしれない。
事実、彼といる時は不思議と不安を一切感じたことがないのだ。
最も、彼といると他に気を回し過ぎて不安を感じる余裕がないと言った方が正しいかもしれないが・・・。
 
 
 
 
 
「・・・そうだね。それだったら、信じられるかも」
「清翠の場合、本当に“星詠み”じゃないから少し心配な気もするんだけどね。それでも彼を慕う人は多いから、僕も信じることができるんだ」
 
そう言ってクスッと笑うのに、ひかるも笑みを浮かべる。
 
不安のない、本当に明るい笑み。
 
 
それを互いに浮かべながら、二人は何気ない話に花を咲かせた。
 
 
 
**********
 
 
 
「・・・やっぱり、椿華ちゃんも行くんだね」
 
 
しんと静まり返った暗い室内に高い少女の声が響く。
 
ゆらゆらと揺れる灯りの火が心許なく辺りを照らし、逆に黒い闇の影を深めさせていた。
そして微かな光に照らされて揺れ動く二つの影。
影の主である二人の少女は向かい合うように座り込み、神妙な表情を浮かべていた。
 
 
「・・・うん。ひかるを助けられなかった最もな原因はやっぱり私だもの。ちゃんと迎えに行って、けじめをつけなくちゃ」
「でも、怪我だってちゃんと治ってないんだよ?それに、鳳琉さんだって・・・」
「鳳琉はちゃんと分かってくれたから大丈夫。それに、別に戦をしに行くんじゃないんだから・・・」
 
そう言って苦笑を浮かばせる椿華に、それでも夏珠は不安そうな表情を浮かべた。
細い手をそっと伸ばし、未だ包帯が巻かれている椿華の腕に触れる。
 
 
「・・・でも、行く途中に何があるか分からないじゃない。秘密裏の行動だから大所帯で行くわけにもいかないし・・・」
「他の国にバレたらまずいからね。・・・大所帯だとバレて感づかれるかもしれないし」
「だったら尚更危険だよ!これ以上椿華ちゃんが怪我するのは、嫌だよ・・・」
 
そう言って泣きそうに目を潤ませる夏珠に、椿華は更に苦笑の色を濃くした。
未だ腕に触れている夏珠の手を握りしめ、身を乗り出してその細い身体を抱きしめる。
背に回した腕で落ち着かせるようにポンッポンッと背を軽く叩いた。
 
 
「大丈夫!絶対にひかるを連れて無事に戻ってくるから!」
「・・・本当に?」
「本当!私が夏珠に嘘ついたことなんてないでしょう?」
「・・・・・・うん・・・」
 
ぐすっと小さく鼻を鳴らしながらも頷く夏珠に、思わず笑みがこぼれた。
それでいて、いつまでも子供なんだから・・・と内心で苦笑を浮かばせる。
椿華はそっと腕の力を緩めると、重ねていた身体を離して回していた腕も解いた。
少し離れた距離から互いの顔を見つめ、にっこりとした笑みを浮かべて立ち上がる。
それにつられるようにして夏珠もその場に立ち上がった。
 
 
「・・・さて、そろそろ行かなくちゃ。もうみんな集まってるだろうし」
「夜の内に出発するんだっけ?」
「うん、闇に乗じてね。どこに何の目があるかも分からない・・・。だから闇に潜んでなるべく早く屑に向かう」
「・・・そっか・・・・・・」
 
どこかしゅんとした表情を浮かべる夏珠に思わずため息にも似た息をそっとつく。
それでいて気を取り直すようにもう一度だけ息をつくと、椿華は腰に手を当てて夏珠を見つめた。
片手を差し伸ばして夏珠の手を握り、そのまま促すように軽く引く。
 
「ほら、行くよ!勿論、見送ってくれるんでしょう?」
「も、もちろんだよ!!」
 
椿華の言葉に夏珠が弾かれるようにして慌てて答えてくる。
それに笑みを深めさせると、椿華を今度は強く腕を引いて共に行くよう促した。
 
二人手を繋いで、駆け足で部屋を後にする。
 
パタパタと軽い足音と共に暗い闇夜を突き進んでいった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あっ、来た来た!遅いぞ、椿華!」
「・・・声が高いですよ、汐燕殿」
 
暗闇の中、明るい声と小さく低めた声が聞こえてくる。
裏口にやってきた椿華と夏珠はその二つの声に思わず顔を綻ばせた。
それでいて駆け足にそちらへと向かえば、幾つかの高い影が月光の元に佇んでいた。
 
 
「・・・やっと来たか、椿華」
 
「・・・鳳琉・・・」
 
影の一つ、鳳琉が声をかけ、それに椿華が少し驚いたような表情を浮かべた。
そんな彼女に鳳琉が意味ありげに目を細めさせる。
 
「・・・早く致せ。時間がない」
「・・・まさか鳳琉に見送ってもらえるとは思わなかった」
「・・・ふん・・・」
 
椿華の言葉に鳳琉が気のない返事を返してくる。
それに椿華は苦笑にも似た笑みを浮かべると、用意されていた自分の馬へと飛び乗った。
手綱を軽く握りしめ、挨拶するように首筋を撫でてやる。
 
 
「・・・全員集まったな。では・・・行くぞ・・・・・・」
 
椿華の準備が整ったのを横目に確認して、叢柴がそう声をかけてくる。
それにこの場にいる全員が彼へと目を向けた。
 
「・・・鳳琉、後のことは任せたぞ」
「・・・はっ・・・」
 
叢柴の言葉に、鳳琉がすかさず拱手して深く頭を下げる。
それに夏珠は彼の横に歩み寄ると、馬に乗った者たちを見上げた。
 
「みんな、無事に戻って来てね!」
 
拳を作った両手を胸元まで掲げ、ファイトのポーズをとる。
それに椿華たちは馬の上で笑みを浮かべた。
 
「ああ、行ってくる」
「必ず、無事に戻ってくるよ!」
「・・・必ず、ひかる様を・・・・・・」
 
 
夜の闇にそれぞれの声が胸の言葉を響かせる。
それを共に、彼らは一様に馬の脇腹を強く蹴り上げた。
 
闇夜に響く、低い息と馬の嘶き。
 
 
月の光も届かぬ闇に呑みこまれていく幾つもの影を見送り、夏椿は不安げな色をその可憐な顔に浮かべた。

 

 

 

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